Friday 23 January 2015

Love is a smoke...:三輪えり花の【喋って英語】8

 "Love is a smoke made with the fume of sighs"
「恋は腹立ち紛れの溜息が吐く煙だ」
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から、恋煩いのロミオが冒頭で喋る台詞の一部です。
fume も smoke も、白濁した気体のことですよね。
恋は溜息の煙の煙だ?
どうやって訳したものか・・・

smoke は煙幕のように、その先が見えない感じがします。
Love is a smoke 
は、未来が煙で隠されて見えない、不安で心もとない感じがします。

一方、fume は、ツンと鼻をつく臭いに象徴されるように、
燻すとか、
実は、腹が立つ、頭にくる、という意味も。
漫画で腹が立って、プンプン、と鼻息が立っていたりしますよね、あんな感じ。

こうなると、恋が思う通りにいかなくて、腹立たしいロミオが
忌々しいため息をふんっ、と吐き出している感じもします。

ということは、ここで「恋の溜息」と訳されたからと言って、
俳優は、女々しく、は〜〜〜・・・・とやるロミオを演じてはいけないことになります。
シェイクスピアは、このような単語を選ぶことで、
腹が立っての溜息でfume を出しているロミオをひょうげんしているわけですから。

難しい?

いえ、なぞなぞ探しみたいで、
それが面白いと思える俳優は、あるいはオーディエンスは、
シェイクスピアを中毒みたいに好きになれるのです。


Romeo&Juliet1-1

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