Friday 22 May 2015

町人お辞儀【プレゼンスの黄金律】by 三輪えり花



5月も半ばを過ぎ、

いろいろな方に出会う機会も

増えてきましたね。


出会いの挨拶はとても大事です。


今日から数回に亘って、

お辞儀を見直してみましょう。


私たちがよくやってしまうお辞儀は、



や、どうもどうも。



私はこれを


「町人お辞儀」

と呼んでいます。


江戸の町人たちは、


へりくだりながら

相手と仲良くなる文化を築きましたから、

へりくだった笑顔と、

「自分は大したもんじゃありませんが、

ひとつよろしくお願いしますよ、旦那」

という台詞が流れてきそうですね。


これは、日本人同士ですと、


親しみを与えたり、

同類としての安心感を与えますから、

悪くはないと思います。


けれど外国人を相手にしての時は、


あなたが、

卑屈で矮小な性質を持っている・

仕事はこちらが楽勝で

あなたを支配するボスになれそうだ

という印象与えてしまっている

可能性があるので、

気をつけましょう。

Tuesday 19 May 2015

『お気に召すまま』のおもひで(思い出)

6月5〜7日に四谷で公演する舞台『お気に召すまま』

この戯曲には深い思い出があるんです。

私が日本の演劇界に関わるようになってすぐに、
劇団昴で通訳として仕事を任された作品。

私が今回演じるロザリンドに要田禎子さん。

もうかわいくてかわいくて甘くて。
彼女って、見た目はいわゆる「かわい子ちゃん」タイプじゃないのに、
演じると、ほんとに魅力的でかわいいの。
私にとっては憧れの女優。

タッチストーンという道化に田中正彦。

ものすごい勉強熱心で、リハーサルのたびに、
何か新しいことに挑戦した、その自主稽古の成果を見せてくれる。
俳優の鑑のような人。
道化のイメージをチャップリンからとって、
彼の歩き方、ステッキの回し方、
とにかく、練習・練習・練習のかた。
私にとっては師とも仰ぐ俳優。

公爵を演じたのは、この4月に急死なさってしまった西本裕行。

今回の公爵は、兄と弟を一人二役で演じてもらっていますが、
わたし、これは自分だけのアイディアのように思っていましたが、
思い返すと、
この時の劇団昴版でも兄と弟は西本さんがなさっていましたっけ。
わたしの頭の中で、同じ人が演じていた、という記憶が無かった!

すごくないですか?

つまり、全然別人として記憶に残っていた!ってことですよ。

どんだけすごい俳優だったんだ!ですね。
西本さんにご覧いただきたかったなあ。。。。

今回はLuther ヒロシ市村が、退場もせず、マント一枚で瞬時に変身という
離れ業で演じます。
ご期待ください!


Sunday 17 May 2015

演出家は人を助ける仕事です

今はいろいろやっていますが、
劇団昴から、
演出家として出発しました。

私はリハーサルが大好きです。

英国から修士号を取って帰ってきて
現場のことは右も左も分からないまま
演劇界に入ったので、
周りからは、
頭でっかちと
思われがちですが、

こう見えて、
大学(慶応)時代は、
三田祭実行委員会で
立て看板とか、カンコン作っていたし
スコップも鋸も釘も
へっちゃらなんです。

それはさておき、

リハーサル、
つまり芝居の稽古の時、
私の頭はもっともよく働いてくれます。

よく、芝居を作ると
「三輪ワールドだなあ」と
褒め言葉半分、
変わってるなあ半分の
「お褒めの!」言葉をいただきます。

でも、私、
自分で三輪ワールドを作ろう
なんて、
思ったことさえありません。

リハーサルをしていると、
俳優はいろいろなことを
提供してくれます。

それが私の演出の源です。

顔の角度、
ちょっとした無意識の仕草、
思わず間違ってしまったリアクション

俳優たちが
試行錯誤で持ってきたもの
思わず出てしまったもの

それらが私の演出の
栄養素なんです。

それを見て初めて、
あ!それなら、この場面は
こんなことができるんじゃない?

と思いつくのです。

私の頭の中から出たものでは
決して、ないんですね。

それはもちろん、
リハーサル前は
たくさん読み込みます。

翻訳も大概自分なので
翻訳しながら、
登場人物像を組み立てていきます。

舞台装置はこうしたい

こういう服装で来て欲しい

ここで騒ぎたい

・・・いろいろ考えてきます。

シェイクスピアなら
新しい解釈を思いついた、

とか。

でも、それを形にしてくれるのは

やっぱり俳優

俳優から自ずと生まれたものこそ、
本当に素晴らしい。

合格

これは舞台だけの話ではありませんよね。

人を育てる、

アイディアを出し合う、

それは全部、相手あってのこと。

演出家は、
アイディアを
出しやすいように、
助ける仕事

演出家は、
アイディアを
枯渇させないように、
導く仕事

演出家は、
アイディアという花を
実らせる
お手伝いをする仕事


素敵な仕事です。



ただいま関わっているのは
シェイクスピアの「お気に召すまま」

出演者・ピアニストからの
アイディアを大事に
育てていって
大きな薔薇のアーチみたいに、
しっかり造園します。

するとそれが
お客様の目に
「うわあ!素敵!」
を呼び起こします。

お楽しみに!

三輪えり花のウェブサイト「お気に召すまま」

Wednesday 13 May 2015

メイク道具

私は普段はメイクをしませんが、
流石に撮影や舞台となると、話は別ですビックリマーク

わたしにとってのメイクは、
カジュアルな服を着るかスポーツ
相手に失礼にならない服装にするかサンダル、の
違いです。

メイクは、顔というキャンバスに絵を描いて口紅
陰影を付けるものと思っているので、
絵の具と筆、という概念で絵を描くつもりになります。 

油性ファウンデーションを
小皿に分けとりますコスモス

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その日の季節や天候、服の色に合わせて、
幾つか色を出します。

油性ファウンデーションなので、
油絵用の筆を使っています。

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ほぼこれ一本で。
詳細はこちら。

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あら、逆さまになっちゃった叫び

これで絵を描く感じで。

手も汚れないし細かい作業もできるので
試してみては如何でしょう?

Sunday 10 May 2015

喋って英語#11 All the world is a stage.





お客様に感動を届ける演出家、三輪えり花です。

6月の舞台に向けてただいまシェイクスピアの「お気に召すまま」絶賛稽古中。

今回の【喋って英語】は、せっかくですから、その作品から、
シェイクスピアのなかでも有名トップ5に入るセリフを喋ってみましょう。


All the world's a stage
この世はみんなひとつの舞台

And all the men and women merely players;
人間みんな単なる役者

They have their exits and their entrances,
退場もするし、登場もするし

And one man in his time plays many parts:
一生の間、ひとりで演じ続ける、何役も。

His acts being seven ages.
それは七つの段階に分かたれる。

宝石赤はい、なんとなく、ことわざ的に聞いたことがある人もいらっしゃるでしょうか。

世界って、舞台だよね。
人間は、その上でじたばたする役者なんだよ。
一生のうちに、いろんな役をするよね。
スポットライトを退くときもあるし、
また主役に戻るときもある。

宝石紫そう聞くと、
今の自分が悩んでいることも、
こういう役回りのときなんだな、って
なんだか、ホッとしませんか?

このあと、セリフは、
赤ちゃんの時代
子供の時代、
青年の時代、・・・
と、人生を7つの段階に分けて、
「どんな風に演じるべきか」を教えてくれるんです。

おもしろいでしょう?

もしかしてこのセリフの続きを聞きたければ、
公演案内をごらんくださいな

Sunday 3 May 2015

実演芸術の今後の展開について

演劇の翻訳/演出家と、
オペラの演出家と
今後の実演芸術の展開について、
豊かな話をたくさんしました(*^◯^*)

iPad miniと、iPadで、互いの作品情報などを見せ合う二人の図がおもしろく。

これから新しいことをたくさん始められそうで、ワクワクが止まりません!

しかも、懐石美味しい!
@国立うさぎや


👣展開の要旨

地方公演で、地方自体を潤す方策。
     東京から地方出張する劇団にお金が入るだけで、受け入れる地方には、それが去ったら記憶以外は残らない、という印象。
     公演期間は、支給されるホテル代や食事代は、その地方で使用されるのだから、地方にはその分のお金は還元されていると言える。その公演を観に、隣接地域からも観客が集まれば、交通と飲食には収入がある、とも言える。
     が、芸術的な創造が継続していかない。継続のためには、自治体が継続的に潤う仕組みが必要だ。
     そこで、地域の人たちが自分で活動できる仕組みを伝えていく。

などなど。
他にも、国際展開についても、様々な意見交換。

話し合いは、楽しく続き、気づいたら6時間!

発展的な話は楽しくて時間を忘れますね。


【喋って英語】鍵になる単語を見つける

6月公演『お気に召すまま』鋭意稽古中の三輪えり花です。

今日は、スピーチに役立つ動画をひとつ、
お見せいたしますね。


シェイクスピアの原語台本を使いますが、

ちゃんと英語字幕と日本語翻訳をつけたので、

わかりやすいと思います。

Let us try!





My brother  Jaques he keeps at school,
兄貴のジャックは、学校へ行かせてもらうほどの
待遇を受けている

and report speaks goldenly of his profit:
成績も良いらしい

for my part, he 
keeps me rustically at home,
なのに俺の
待遇は、ここで百姓同然

or, to speak more properly,
いやもっとはっきり言えば

stays me here at home 
unkept;

待遇なんてもんじゃない

for call you that 
keeping for a gentleman of my birth,
これが、俺の生まれにふさわしい
待遇か?

that differs not from the stalling of an ox?
雄牛を飼うのと変わりないじゃないか。


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辞書では、keep に「待遇」を当てるなんて
ありえません。
でも、言葉の内容では、このように、
あり得るのです。

それはともかく、
keep という言葉を展開することで、
オーランドーが、兄貴との待遇の差を嘆く
ポイントがはっきりしますね。

すると、はじめは、ただ長いだけの
セリフに思えたものが、だんだん、
これを言わないと次へ行けない、
という感覚に変わってきます。

それこそが、良い台本であり、
それが、表現力のある演技へと
結びついていくのです。

日本語も同じです。

みなさんも、次にスピーチがある際は、
ぜひ、鍵になる単語を展開する、というつもりになってみてはいかがでしょう?

表現力がぐぐっと上がって、
聴く人を惹きつけていけると思いますよ。


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もしかしてこの公演に興味があれば
詳細はこのチラシクリック






薔薇が咲きました!

三輪えり花の薔薇2015年の第一輪(*^◯^*)

出窓はこんな感じ


通路のアーチは花はまだまだですが、
アーチはしっかりできて、とても嬉しい。人も花も、時間をかけるって大事ですね。


これは通路の麓部分に咲き始めたオフェリア。


通路の上には、虫喰いのジュリアスシーザーが。
日本から電線を無くす党を結成したいです。