Sunday 17 May 2015

演出家は人を助ける仕事です

今はいろいろやっていますが、
劇団昴から、
演出家として出発しました。

私はリハーサルが大好きです。

英国から修士号を取って帰ってきて
現場のことは右も左も分からないまま
演劇界に入ったので、
周りからは、
頭でっかちと
思われがちですが、

こう見えて、
大学(慶応)時代は、
三田祭実行委員会で
立て看板とか、カンコン作っていたし
スコップも鋸も釘も
へっちゃらなんです。

それはさておき、

リハーサル、
つまり芝居の稽古の時、
私の頭はもっともよく働いてくれます。

よく、芝居を作ると
「三輪ワールドだなあ」と
褒め言葉半分、
変わってるなあ半分の
「お褒めの!」言葉をいただきます。

でも、私、
自分で三輪ワールドを作ろう
なんて、
思ったことさえありません。

リハーサルをしていると、
俳優はいろいろなことを
提供してくれます。

それが私の演出の源です。

顔の角度、
ちょっとした無意識の仕草、
思わず間違ってしまったリアクション

俳優たちが
試行錯誤で持ってきたもの
思わず出てしまったもの

それらが私の演出の
栄養素なんです。

それを見て初めて、
あ!それなら、この場面は
こんなことができるんじゃない?

と思いつくのです。

私の頭の中から出たものでは
決して、ないんですね。

それはもちろん、
リハーサル前は
たくさん読み込みます。

翻訳も大概自分なので
翻訳しながら、
登場人物像を組み立てていきます。

舞台装置はこうしたい

こういう服装で来て欲しい

ここで騒ぎたい

・・・いろいろ考えてきます。

シェイクスピアなら
新しい解釈を思いついた、

とか。

でも、それを形にしてくれるのは

やっぱり俳優

俳優から自ずと生まれたものこそ、
本当に素晴らしい。

合格

これは舞台だけの話ではありませんよね。

人を育てる、

アイディアを出し合う、

それは全部、相手あってのこと。

演出家は、
アイディアを
出しやすいように、
助ける仕事

演出家は、
アイディアを
枯渇させないように、
導く仕事

演出家は、
アイディアという花を
実らせる
お手伝いをする仕事


素敵な仕事です。



ただいま関わっているのは
シェイクスピアの「お気に召すまま」

出演者・ピアニストからの
アイディアを大事に
育てていって
大きな薔薇のアーチみたいに、
しっかり造園します。

するとそれが
お客様の目に
「うわあ!素敵!」
を呼び起こします。

お楽しみに!

三輪えり花のウェブサイト「お気に召すまま」

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