Saturday 1 December 2012

2012 甲府『愛の妙薬』総観

11月30日に、山梨県甲府城西高校の芸術鑑賞会(開催は3年に一度)の演目として、ドニゼッティ作曲オペラ『愛の妙薬』を上演してきました。

Directed opera L'Elisir D'Amore by Donizetti, for Japanese high school students (altogether 800 people), with a very very nice cast and conductor!
We introduced the opera both in Japanese and Italiano; firstly sing in Japanese, then for the repeated words in Italiano.
This style worked tremendously well, and we all are pleased with the audience approval.

相手は800名の高校生。
(父兄も入れて1200名の県民文化大ホールが満席と聞いていたけれど、父兄用の二回席がら空きでちょっとがっかり)

はじめに三輪えり花が、オペラというアートを一行で解説したり、本作に良く出るイタリア語をみんなで暗唱したり、オペラの観方(アリアの説明、ブラァヴォのかけかた等)を紹介。

それから、物語の始まる前の状況;村一番の美人アディーナに男たちが全員惚れ込んでいるのにアディーナは見向きもしないとか、その中にはネモリーノもいるけれど、ネモリーノは孤独が好きで友達がいないことなどを、俳優と出演歌手でちょっと演じてみせました。

そして本編に入るという仕組みで、オペラを観たことも無い高校生に理解を深めてもらうため、歌詞は日本語のあと、繰り返しの箇所はイタリア語で、という珍しい(もしかしたら初の?)試みでした。
最近は集中力が続かない人が多いので、2時間の作品を休憩なしの90分にカット。
そのため、間には私の「お邪魔します」という短い息抜きが入ったり、歌手と俳優の台詞を挟んで、カット場面の補足をしました。

最初、私が冒頭解説を始めても会場はざわざわしっぱなし。
それでも、視野に入る前列の、ヤンキー学生たちはすっごい笑顔でくいつくようにこちらを見ていたりで、なんかスポーツ観戦の前みたいでした。良い意味でね。

それが、指揮者が棒を降り始めたとたん、会場全体が静まり返って、私はびっくりしました。
終演後の指揮者の話では、とても気持ちの良い集中力が背中に集まってくるのを感じたそうです。
終演後に観客見送りのためにロビーに全出演者が出たのですが、高校生たち、とっても嬉しそうに写真を撮ったり、握手をしたりしていきました。

今回の作品は、高尚なスタイルの上演ではなく、伝統的なオペラのかたちではありませんでしたが、蓋を開いてみると、日本語とイタリア語のミックス上演は、意味はわかるし、原語と音楽のマッチングやイタリア語の音感のおもしろさはわかるしの一挙両得で、指揮者・出演者・観客ともに全く問題を感じませんでした。それどころか、良いところが多かったので、ほっとしました。

Twitter やFacebook でも素敵な感想をいただいています。

それでは、写真で振り返ってみましょう。

Girls in Costume

Boys in costume, except dulcamara and Belcore.

The Last Music Prova for Nemolino

Belcore proposes Addina (she is wearing one for the Act Two, not for this scene).
Technical Rehearsal in the Space; some cast are in costume.

Dulcamara has arrived.  Addina's costume is for the Act II, not for this scene.
Technical Rehearsal. 
Nemolino is about to hung himself with desperation, and Belcore asks him to join his army, if he is ready to die anyway.
Technical Rehearsal





ここから先は、本番の場面を私がステージ袖から隠し撮り。
Nemolino's first area, as Addina is adored by men, and girls are jealous of her.
Addina reading her story of Isolde.  Nemolino tries to come near, but other boys prevent him to.

Belcore arrives from the auditorium, receives welcome bouquet, and kisses one of the village girls whom after this fall faint.

Belcore sings his first area.  How beauteous I am!

Addina teaches Nemolino to love many girls, which he refuses.

Dulcamara, with his Fool Malcadura, arrives at the village, through the auditorium.

Namolino watches dulcamara explaining his wonderful medicine.


The villagers eager to buy the medicine, and even one falls from the heat of the scene.

Dulcamara has succeded in selling.


Jannetta tells the big secret of Nemolino to other girls.

本番中の写真はここまでです。
ネモリーノの集中力が半端なかったので、私も集中してお祈りしてましたの。
楽しい場面がたくさんありました。

薬売りのときの道化マルカドゥーラの身体表現に依る薬の効能
ネモとベルコの歌いながらの取っ組み合い
花を銜えて回転するベルコ
大勢のダンス
1幕ラストの、指差し大笑いのネモいじめ
ドルカの「やったー」ダンス
ベルコの「やったー」ダンス
肝っ玉の大きくなった酔っぱらいネモ
それに対するアデの態度
O, gioia! で気絶するネモ
それにキスするアデ
村人たちカップルの壊れ具合
それが最後にみんな元の鞘に納まるハッピーエンド
ドルカに悪態をつきながら、女子に投げキッスを送るベルコ

思い出すと、次々に、みんな素晴らしい演技だったな〜と微笑みがこぼれてきます。
大変良くできました。短期間だったのに。


幕が降りた直後、会場では高校の先生方が、高校生に連絡事項を伝えている際に、幕裏で記念撮影の準備

愛の妙薬ボトルを手にしてみんなご機嫌。中央に花束を持って指揮者。

指揮者 佐藤宏充先生


ピアニスト齋藤誠二 Seiji Saitoh

ピアニスト佐々木光 Hikari Sasaki
        ネモリーノ 山本耕平 KoHey Yamamoto as Nemolino


アディーナ 廣橋英枝    Hanae Hirohashi as Addina
ベルコーレ 加耒徹 Tohru Kaku as Belcore
ドゥルカマーラ 山野靖博 Yasuhiro Yamano


ジャンネッタ 中須美喜 Miki Nakasu


コーラス中山茉莉 Mari Nakayama
コーラス牧田潤子 Junko Makita
 コーラス前澤歌穂 Kaho Maezawa
 コーラス(女性)Female Chorus 写真を撮れなかった田村阿由実 Ayumi Tamra ちゃんもいます。上記の写真は終演後の高校生たちの見送りの際に露微意で撮影したのだけれど、あゆみちゃんは高校生に取り囲まれて近づけなかったのだ。

さて、ものすごい力を発揮してくれた俳優たち↓
彼らがいてくれたおかげで、なんと場面が生き生きと盛り上がったことでしょう!
普段おつきあいしている私でさえ、彼らの働きには感服しました。
本当にありがとうございました。
マルカドゥーラ西村長子 Choko Nishimura
小泉武也 Takeaki Koizumi
高山佳音里 Kaori Kohyama

宮島岳史 Takeshi Miyajima

吉澤恒多 Kohta Yoshizawa
田中久也 Hisaya Tanaka
香乃 Kano

池側生也 Takaya Ikegawa
清水由紀子 Yukiko Shimiz

主催 甲府城西高校 佐野先生

指揮 佐藤宏充 Hiromitsu Satoh conducts
企画 Cloud of Arts Produces
日本語歌詞・構成・演出 三輪えり花  Elica Miwa directs

このスタイルのオペラ、もっと続けてもいいな。
佐藤先生にはドニゼッティの女王三部作を薦められました。
ふーむ。

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