Tuesday 16 July 2013

Elica's August Work 三輪えり花 8月の公演




私ね,慶応でも英文学でシェイクスピアは学びましたが,マクロコスモスとミクロコスモスがなんちゃらかんちゃら,としか憶えていなくて,なんかいったいなにがそんなにすごいのか,さっぱりわからなかったの。

ロンドン大学の演劇科大学院に進んでも,ヨーロピアン・アヴァンギャルドをやっていたので,シェイクスピアとは無縁でした。そりゃこの時期のロンドン時代にもいろいろ見たのだろうけれど,あまり憶えてないのです。

劇団昴で「ハムレット」や「お気に召すまま」の稽古についたけれど,ダメ出しの意味さえわからず,なにこれ,わっけわかんない,と思っていたの。

だから,いわゆる高学歴だろうが,ロンドン留学してようが,英語がどんなに出来ようが,私にはシェイクスピアはおもしろくなかったの。

ところが劇団昴から,文化庁の在外研修に送り出して頂いて,あらためて演出家としてイギリスに渡り,英国演出家組合のワークに参加した際,ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの演出家が「ハムレット」の独白の読み方を,俳優とともに解説する講座がありました(あのジョン・バートンによる)。

これが私のシェイクスピア開眼のきっかけでした。
ひぇー,なんだおもしろいじゃん,なんでこの面白さが日本にいた頃はわからなかったの?これ,日本人に絶対紹介したい!

そう思って書いたのが,これです。
初演は2003年。
ナビゲーターとして私がシェイクスピアの面白さを解説し,俳優たちがその解説にふさわしい場面を上演してみせる,という形態です。
これが大当たりしまして,以来,たびたび,キャストを変えながら,その度にキャストに合わせて書き直しながら再演を重ねて来ました。

今回は劇団昴と日本芸術専門学校の共同企画公演として,キャストはナビゲーターも含め全員が劇団昴の俳優で挑みます。




翻訳部分は,これまでは福田恆存訳と三輪えり花訳を使用箇所に応じて併用していましたが,劇団昴企画ということで,オール福田訳でお届けします。
ただし,あくまでも「わかりやすく」楽しんで頂くために,がばっとシェイクスピアを紹介するので,カットや解説の都合上,福田訳にはならないところもありますので,ご注意ください。

No comments:

Post a Comment