本日は、某女子短大2年生に、演出家の仕事と、なぜそれに就くようになったかをお話ししました。
転んだら起きる、というのが 大事だから、と素晴らしい試験官達にカナダに送ってもらったものの、元々繭の中にいて、社会性の無い私のことでしたから、繭を増々固く、もしかしたらトゲまではやした繭を作っていたかもしれません。
笑われたくない。
かっこ良くありたい。と。
ところがある日、演劇教育の授業で、私のした、何気ない行動が、同級生の笑いを誘いました。
そのとき、それまで笑われることが怖くて怖くてたまらなかった私が、笑われることで気持ち良く感じられたのです。
その笑いは、人を傷つける笑いではなく、人を癒し、心地好い楽しい気分にさせるものでした。
私は人に笑われてるんじゃない、私が人を笑わせてるんだ、と思えた瞬間です。
そのとき、笑いには、人を救うパワーがあると気がつきました。
演劇教育(Theatre in Education) の授業は、社会で生きる人間が、お互いに助け合い、良いところを認めあい、想像力と創造性を発揮しながら気持ち力生きることを教えていました。
なんて素晴らしい科目。
これが日本の小学・中学教育に入ったら、お尻に画鋲が刺さるような子はいなくなるに違いない。
このとき、初めて、私は演劇を日本社会の教育システムに取組むことを仕事にしよう、と自分の進むべき道が選べた気がしました。
演劇や音楽って、小さい頃からお芝居が好きでした、歌うのが好きでした、ずっとバイオリンひとすじでした、という「小さい頃から」のかたがほとんどで、私のように、道を定めるのがずっと後、という人はいないんです。
ただ、演劇の素晴らしさ、これは教育として日本に根付かせなくては、という思いを 、自分の使命だ、と思えることが生まれたのが、この時でした。
そして私はロンドン大学の演劇科で修士号を取ることにしたのです。
もっと、演劇のことについて良く知ろうと思って。
ところが、そこにいて作品を作るうち、作品作りが認められるようになってしまいました。
つづく・・・
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