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Tuesday, 19 May 2015

『お気に召すまま』のおもひで(思い出)

6月5〜7日に四谷で公演する舞台『お気に召すまま』

この戯曲には深い思い出があるんです。

私が日本の演劇界に関わるようになってすぐに、
劇団昴で通訳として仕事を任された作品。

私が今回演じるロザリンドに要田禎子さん。

もうかわいくてかわいくて甘くて。
彼女って、見た目はいわゆる「かわい子ちゃん」タイプじゃないのに、
演じると、ほんとに魅力的でかわいいの。
私にとっては憧れの女優。

タッチストーンという道化に田中正彦。

ものすごい勉強熱心で、リハーサルのたびに、
何か新しいことに挑戦した、その自主稽古の成果を見せてくれる。
俳優の鑑のような人。
道化のイメージをチャップリンからとって、
彼の歩き方、ステッキの回し方、
とにかく、練習・練習・練習のかた。
私にとっては師とも仰ぐ俳優。

公爵を演じたのは、この4月に急死なさってしまった西本裕行。

今回の公爵は、兄と弟を一人二役で演じてもらっていますが、
わたし、これは自分だけのアイディアのように思っていましたが、
思い返すと、
この時の劇団昴版でも兄と弟は西本さんがなさっていましたっけ。
わたしの頭の中で、同じ人が演じていた、という記憶が無かった!

すごくないですか?

つまり、全然別人として記憶に残っていた!ってことですよ。

どんだけすごい俳優だったんだ!ですね。
西本さんにご覧いただきたかったなあ。。。。

今回はLuther ヒロシ市村が、退場もせず、マント一枚で瞬時に変身という
離れ業で演じます。
ご期待ください!


Wednesday, 25 March 2015

チラシに見る三輪えり花の軌跡

ウェブサイトリニューアルのため、チラシをチェックしていました。
全部ではありませんが、いくつか掲載します。













Friday, 30 January 2015

Seek happy nights to happy days 【喋って英語】9


"Go, girl, seek happy nights to happy days."



「ほら、お嬢様、幸せな毎日のために幸せな夜を探すんですよ」

ジュリエットのお見合い話が持ち上がり、乳母が喜んで言うセリフですね。

happy nights と happy days が対になっているのが楽しいですね。

結婚式なんかでも使えそうです。

英語は、簡単な単語をこうして対にして使うだけでオシャレ感・英語できる感がたっぷり出せるんです。

さて、問題は、Go です。

Go は、ご存知の通り、よく使われる言葉で、お芝居では「さあ」とか「ほら」とよく訳されます。

でも、私たちは日本語の会話で「さあ」と「ほら」の中にいろいろな意味を込めますよね。

go という、「進め」「行け」の意味があることまで訳し出すのは難しいのです。


「ほら」なんかは、何かを指差す Look! という単語が元にあるかもしれないのです。

演技は、go と look では随分違いますね。


なので、演出家は、やっぱり、原語の意味を知っておいたほうが良いのです。


私は翻訳するとき、このような、

口語にすると意味が何通りにも取れる場合は、

必ず注釈をつけて、

元の単語はこれこれだから、

演技としてはこういう動きや心理が要求されている、

と書いておきます。

Romeo&Juliet1-3

Friday, 23 January 2015

Love is a smoke...:三輪えり花の【喋って英語】8

 "Love is a smoke made with the fume of sighs"
「恋は腹立ち紛れの溜息が吐く煙だ」
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から、恋煩いのロミオが冒頭で喋る台詞の一部です。
fume も smoke も、白濁した気体のことですよね。
恋は溜息の煙の煙だ?
どうやって訳したものか・・・

smoke は煙幕のように、その先が見えない感じがします。
Love is a smoke 
は、未来が煙で隠されて見えない、不安で心もとない感じがします。

一方、fume は、ツンと鼻をつく臭いに象徴されるように、
燻すとか、
実は、腹が立つ、頭にくる、という意味も。
漫画で腹が立って、プンプン、と鼻息が立っていたりしますよね、あんな感じ。

こうなると、恋が思う通りにいかなくて、腹立たしいロミオが
忌々しいため息をふんっ、と吐き出している感じもします。

ということは、ここで「恋の溜息」と訳されたからと言って、
俳優は、女々しく、は〜〜〜・・・・とやるロミオを演じてはいけないことになります。
シェイクスピアは、このような単語を選ぶことで、
腹が立っての溜息でfume を出しているロミオをひょうげんしているわけですから。

難しい?

いえ、なぞなぞ探しみたいで、
それが面白いと思える俳優は、あるいはオーディエンスは、
シェイクスピアを中毒みたいに好きになれるのです。


Romeo&Juliet1-1

Wednesday, 21 January 2015

マレーネ祝賀会その2

紀伊國屋演劇賞授賞式のあと、旺なつきさんがごくごく内輪でパーティーを開いてくださいました。
ありがとうございます。
とってもおいしうございました。





紀伊國屋演劇賞授賞式

一生に一度あるかないかの紀伊國屋演劇賞授賞式
関係者としてご招待を受けたので、記念のお写真をいくつか

社長挨拶 かわいらしいかたでした

小田島恒志さんから、受賞決定の経緯
年間260本ほどの観劇作品の中から、審査員5人の満場一致で決まるそうです
光栄ですね

私を育ててくれた劇団昴の、久保田民絵さんも受賞!
緊張して立っている姿が、まるで小学生のお嬢さんのようで、
民恵さんの愛らしさがと〜〜っても素敵でした!


旺なつきさんのお写真は、私も興奮していたので、手ブレしとります



民恵さんの挨拶

なつきさんの挨拶は感動的で、私も初めて涙しました。
受賞を知った時にはマネージャーと興奮して叫び回ってしまいにはマネージャーの血圧が上がって「頭痛い」とか言い出す始末で、なつきさんは、変な踊りを踊ったそうです。
あー素敵!素敵!素敵!

マレーネ祝賀会その1

日本三大演劇賞のひとつ、紀伊國屋演劇賞個人賞を見事、受賞なさった旺なつきさん
おめでとうございます

授賞式より一足早く、T-PROJECT が祝賀会を開いてくださいました。
出演者・スタッフ全員揃ってのお祝いです。


マレーネがムッティ(母さま)と呼んで慕う、失語症の女性を演じた小沢寿美恵さん

ブレ具合が、彼らのウキウキを伝えてくれます

実は気に入っている写真であります

翻訳・演出・美術を担当させていただいた三輪えり花も一緒に

優秀なスタッフ、向かって左、制作のかずみちゃん、中央は衣装の仲村さん

Friday, 16 January 2015

Is the day so young? 【喋って英語7】

Is the day so young?

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から
ロミオの最初の一言です



ロミオはジュリエットと初恋みたいに思われていますが
本当は、戯曲の冒頭で、別の女の子に恋をしてるんです!

そして、恋煩いの状態で、
うっとおしいため息をつきながら、
森のほとりで
一人ぼっちで
草とか噛んだりしてるんです

友達もお手上げ

親友のベンヴォリオが
「おはよう」
と声をかけると
「生まれて間もない今日の日か」
と答えるロミオ

これが
Is the day so young?

おはよう、は英語ではGood morrowですが、
このmorrowという単語は、日本語と同じように
朝まだきを示します

そして、1日という時間を、
朝・昼・夜と考えると
朝は若さ
昼は大人
夜は老人
となるわけで

恋煩いですっかり老け込んだ気持ちになっているロミオは
今日という日はまだそんなに若い時代にいるのか、と言うわけです。

ジョークでしか使えませんが、
かっこいい言い回しですよね。
こういう言い回しを溜めていくと
英語のセンスが磨かれますよ


Sunday, 14 December 2014

味付けはドレッシングで

いよいよ次の週末に迫った、「何がすごいの?シェイクスピア!」

私は、演出するとき、よく、原文の意味を説明します。
今回は、出演者から、「味付け」という日本語の原文を尋ねられました。

「何がすごいの?シェイクスピア!」は、
霊界から降りてきたハムレットが、
観客をシェイクスピアツアーに連れていく、という設定。

その中で、たくさんのシェイクスピア作品が登場します。

「味付け」は「ヴェニスの商人」に出てくるセリフ。

それについて、出演者の森ほさちが、動画で語ってくれます。



味付け。

シェイクスピアはdressing という単語を使いました。
サラダのドレッシング、と同じです。
もちろん、ドレスを着せる、という意味でも。
(サラダにドレスを着せるんですね、かわいい)

ポーシャ、という女性が、男装して使う単語なのです。
だから、とても女性的ですよね、ドレスと食事に関わる単語を選ぶなんて。

男性が喋っていたら、dressing は使わなかったかもしれません。

シェイクスピアは、こんなところでも、言葉のマジックを使いました。

皆さんも、英語であれ、日本語であれ、言葉を選ぶときは、
遊び心で選んでみましょう。


Wednesday, 3 December 2014

How beauteous mankind is! 英語は喋って身につける

"How beauteous mankind is!"

「人間とはなんと美しいものかしら!」




孤島育ちの娘ミランダが、島に流れ着いたヨレヨレの人間達を初めて見て。

劇中では彼らは悪党と飲んだくれと年寄りなのだが、ミランダは、それでも人間を美しいと捉えるんですね。

シェイクスピアの人間への優しい目が感じられて、大好きな台詞です。

今月は、シェイクスピアの楽しみ方をとことん紹介できる番組、
喜劇『何がすごいの?シェイクスピア』があります。

シェイクスピアを学ぶのは、海外でも通用するプレゼンスを身につけることに直結するんですよ。
私も、シェイクスピアを知っているからこそ、
海外でも、
海外のお偉いさんとの会話でも、
通訳でも、
一目置かれて、得をしています。

Tempest 5-1

Thursday, 27 November 2014

O wonder! 英語は喋って身につける

"O wonder! How many goodly creatures are there here!"

「わあ、不思議!素敵な生き物が、なんてたくさんいるのかしら、ここには!」




孤島育ちの娘ミランダが、島に流れ着いたヨレヨレの人間達を生まれて初めて見て。

O wonder!

という一言でも、ハッピーに驚いた時に使うとステキです。

How many 〜 are there here.

How という語が、疑問詞的にも、感嘆詞的にも使われています。
どんだけ〜⁈ という気持ち。

シェイクスピアは文法に無頓着だったので、クエッションマークは、ここでは使いませんでした。

文尾の here は、「ここ」という意味ですが、
その直前の there は、物がその辺にあることをガバッと示す時に主語で使う there.

There are people.
人間がいる。

There are people here.
ここには人間がいる。

There are people around here.
この辺りには人間がいる。

簡単ですね。
今日からすぐに使いましょう。
口ずさむのです!

Have Fun!

Tempest 5-1

Tuesday, 18 November 2014

"O brave new world" 英語は喋って身につける

"O brave new world" 

「わお、新しい世界よ、万歳!」




数あるシェイクスピアの台詞の中でも、
三輪えり花の最高のお気に入りのひとつがこれ。

シェイクスピアの最後の戯曲と言われている「テンペスト」から。

孤島育ちの女の子、ミランダが、
嵐で難破して、島に流れ着いたヨレヨレ状態の人間達を
初めて見て眼を輝かせて言うんです。

Brave というのは辞書上の意味は「勇敢」ですが、
「おお、勇敢なるかな、新世界」
では、意味がよくわかりません。

これは、イタリア語のBravoと語源が同じなんですね。
素晴らしい、という意味です。

アルダス・ハクスレーの小説のタイトルにもなりましたね。

皆さんも、プレゼンスを磨いて、どうぞ、

O brave new me!

と歓喜の声を上げましょう。

Tempest 5-1

Sunday, 16 November 2014

food of love,英語は喋って身につける

"If music be the food of love, play on"

「音楽で恋が育つなら、続けてくれ」



シェイクスピアの恋愛喜劇「Twelfth Night 十二夜」
からの台詞です。

恋煩いの公爵が、
パーソナルオーケストラに命令する台詞です。

いいですね、

Music, Love, Play 

音楽、恋、演じる。

シェイクスピア三大テーマです。
それがわずか一行に!

広告のコピーなどにもよく使われますね。

外国で、バーやレストランで
辻音楽師が演奏してくれたら、こんな風に言ってみると
おしゃれかも、です。

もちろん、英語圏なら、誰もが知っているフレーズです。

Twelfth Night 1-1

Saturday, 25 October 2014

O happy dagger 英語は喋って身につける

O happy dagger,
This is thy sheath; there rust, and let me die."

「おお、運の良い短剣、ここがお前の鞘。そこで錆びつき、私を死なせて」

ロミオの死で、絶望の内に自らを刺す間際のジュリエットのつぶやき。Romeo&Juliet5-3

ちょっと使えるのが一行目。

O happy dagger

幸せ、というポジティブな単語と、
短剣という危険な物体を合わせることで、人生の皮肉が表現されるのです。

O は、シェイクスピアでさえも言葉を思いつけなかった、それくらい深い感情の塊を表します。

短剣に向かって、君は幸せ者だよ、私の胸がお前の鞘、つまり、私を刺し貫けるんだから、とかなりエロチックなイメージです。

それから、let の使い方ですね。
レットの次の単語が対象になって、そいつに、そうさせてやって、という構造になるんですね。
ビートルズの LET IT BE は、そいつに、BE (現状のまま)にさせてやって=あるがままに、という意味だし
大流行りした「アナと雪の女王」の LET IT GO は、そいつに、GO 行かせてやって=手放してしまおう、という意味だし、
let me die では、私を死なせてやって、となります。

みなさんも、let を使って、何か文を作ってみましょう。

Let me cook. 私に料理させて。

Let me. 単独でも使えますよ。
誰かが何かしているのを代わりにしてあげる時、「ほら、貸して」と言って、やってあげるでしょう? あんな時には Let me!

子供達に、何か面白いゲームを見せて、やってみたいひと〜Who wants to try?とか言うと、「はい、はい!」と子供達が手を挙げますよね、あれも Let me!  Let me! です。



Wednesday, 15 October 2014

It is the east. 英語は喋って身につける

It is the east, and Juliet is the sun.

 「あちらは東、だからジュリエットは太陽だ。」

バルコニーのジュリエットの窓を眺めてロミオのツィート。

方向を表す主語の It 
方角に付く定冠詞の the
It is the east.

単純接続詞 and は「だから」という意味で使われる代表例です。
太陽と月に使われる定冠詞の the
And Juliet is the sun.

簡単に憶えられて、旅行に便利。

Romeo & Juliet 2-2

Sunday, 12 October 2014

演劇にまつわる言葉 日本語篇

演劇にまつわる言葉(演劇 戯曲 俳優 舞台 観客)を、漢字の意味から考えてみます。

1.演劇=劇を演じる。

「劇」という漢字は、漢和辞典でひくと「激」と同義で、激しい、つまり、日常・尋常ではないことを示します。
劇という字のつくりの部分は、獣が取っ組み合いをしている様子なんですって。
右側はもちろん、刀の意味。
獣が取っ組み合いをしているところへ刀を持って切り込んでいくとあっちゃ、こりゃドラマチックですよ。
そう、un-natural なのが、劇なのです。

real に対して unnatural,surreal, non-real, ab-normal

現実に対して、非日常、超日常、似非、異常。
常ならざるもの。
それが劇。

2.戯曲
戯れの曲。
戯れという漢字をさらに細かくすると、虚しいという字に矛(ほこ)。
このブログじゃ漢字変換できなかったけど、つまりは中国の武器です。

「虚」は「実」に対しての「虚」だから、むなしい、という意味よりも、現実ではない、ありえない、夢の、という意味。
口偏がつくと、「嘘」。

「戯曲」の「戯」は「現実ではなく武器を交わす」という意味になるから、誰も死なない。たわむれ。遊び。

では「曲」は?

「曲」という言葉は、曲がりくねるという線の動きから来ているから、時間的経過を含む言葉だとおもう。
「絵」という時間の止まったものじゃなくて、時間と共に進む感覚っての?
必ずしも音楽の曲を表すものではないことは、「戯曲」が文を表すことからもわかります。

ということは、「戯曲」というのは、ある一定の時間戯れるルールを文にしたものでしょうか。

もちろん、曲を音曲ととらえ、本来は音楽が主体であったものが文章主体になっていった、という解釈も成り立ちます。

3.俳優
日本書紀では、「俳優」という単語に「わざおぎ」と振り仮名を振ります。
漢和辞典では「俳」の一語だけでも「わざおぎ」と読ませています。

「俳」の字を分解すると、人に非ず。

ここで言う「人」とは、「常人」を表すものでしょう。
だから、「俳」は人間じゃないものという意味ではなくて、常人じゃない状態の人、という意味が大きいのでしょうね。
神がかっている、とか、獣じみている、とか。
仮面を被ったり、人間の顔とは思えないような化粧を施したり、あるいは感情の度合いを極端に表現したり。
基本は人間だけど、でも、常人の幅を極度に超えた表現をするのが「俳」。

「優」という字も、分解すると切ないですね。
人を憂う。

「俳優」とは、人に非ざる状態で、人を憂う。

なんとすばらしい職業。

実は「憂」という字には、「大きなかしらをつけて足踏みする」という意味もあります。
ますます俳優に相応しいですね。

4.舞台
舞う台です。
それ以上でも以下でもありません。

5.観客
観る客です。
それ以上でも以下でもありません。

しかし、この4と5が、日本の演劇と西欧の演劇とを分ける大きな違いとなるのです。
詳細は、別項。
演劇にまつわる言葉、英語篇で、お話します。

こうしてみてみると、日本語における演劇は、

ある時間内(曲)における現実ではない(戯)が、非日常の激しいもの(劇)を、常人ではない状態になった人(俳)が仮面をつけて足を踏み鳴らし(優)、台の上で舞う(舞台)ものを、観る。

ということに集約される、と思って間違いないでしょう。

漢字ってすごいですね。

Saturday, 11 October 2014

演劇にまつわる言葉 英語篇

欧米各国語に於て、演劇に纏わる言葉は、西欧演劇発祥の地、ギリシャの言葉から来ています。

ギリシャ演劇とは、紀元前5~4世紀に書かれて今もなお世界各地で上演されたり映画化されたり、オペラになったりしている一群の悲劇・喜劇を指します。

すごく古い言葉なんです。
つまり、概念がそれほど古い。
神様への儀式が始まりですからね。

人類を類人猿から分けるのは埋葬と宗教的儀式だそうですが、ならば、宗教的儀式から生まれた演劇は人類の歴史と同じくらい古いわけです。

でも文字に残されないと消えてしまいます。

で、西欧演劇のルーツで且つ文字に残ってる一番古いのが、今から2500年前のギリシャ劇なのです。

では、私たちに馴染みの深い英語で、演劇に纏わる言葉をみていきましょう。


≪THEATRE≫
シアター
ギリシャ語読みでテアトル「劇場」
ギリシャ時代、劇場は屋根のない野外。
背景は建造された土地によって険しい岩山だったりオリーブの森だったり真っ青なエーゲ海だったり。

摺鉢型の客席のまんなかに真円の土間舞台。

客席自体はその土間舞台をぐるりと囲んでいて、ちょうどバウムクーヘンを一部カットしたみたいに開いた部分から背景の景色を望むようになっている。
その借景の手前に、舞台装置を兼ねた楽屋と、平土間の円形部分より一段高くなった、主役用の舞台があります。


≪ORCHESTRA≫
オーケストラ
ギリシャ語読みではオルケストラ。
今では楽団のことをさすけれど、これが、摺鉢型客席のまんなかにある真円の平土間舞台のことなんです。

このエリアでは主役以外の大勢さんが歌ったり踊ったり、楽器を演奏していました。

あ~だから現代語のオーケストラ。

でも現代の劇場やホールは、オケが入るオーケストラピットは真ん丸じゃなくて半円ですよね。
なんで?

実はギリシャ文明が衰退した頃、代わりに隆盛を誇ったローマが、真円だと主役が遠い、と言って半円にぶった斬ってしまったのじゃ。


≪CHORUS≫
コーラス
大勢さん、または合唱隊
ギリシャ語ではCOROSコロスと言いました。
当初のギリシャ劇は30~50人のコロスに主役は一人。
主役だけではドラマは進まないでしょ、というわけで。
だからコロスは、オルケストラの部分で歌ったり踊ったり、主役の気持ちを代弁したり、舞台裏で起きた事件を説明したり、神さまたちへの祈りを捧げたりして、劇の進行や盛り上げに重要な役割を担っているのです。


≪SCENE≫
シーン
場面。
オーケストラを客席がぐるりと囲んでいますが、その開口部に、一段高く、ステージを設けます。
そのステージが屋根つきの一軒長屋みたいな横長の建造物を背負っています。
この二つを合わせて、スケーネと呼びました。
英語読みだとシーン。


≪AUDITORIUM≫
オーディトリアム
観客席
ギリシャ語読みではアウディトリウム。
このAUDIという言葉、ドイツ車の他に何かを連想しませんか?

AUDIO。オーディオ。

そう、このAUDIという語は「聴く」という意味なのです。
だからオーディトリアムは観る席じゃなくて聴く席。
観客席じゃなくて聴衆席なのです。

audienceオーディエンスも同様。
観る客=観客じゃなくて、聴く客=聴衆の意味なんですな。

お芝居、演劇が、欧米では本来、観るものではなく、聴くものだったことがわかります。

だからシェイクスピアやモリエールや、現代劇作家まで、すごい・面白いと言われている劇作家は、言葉が音楽的な点が高く評価されているのです。
客も、聴いて驚きながら楽しむ。

一方、観て楽しむものはスペクタクルspectacle。
スポーツとか競技系や試合といった、ローマ時代の巨大競技場で行われたものがこちらに分類されます。
観客はspectatorスペクテイター。

因みにメガネglassesは正式名称をspectaclesというし、詳しく細部まで調べることをinspect、検察官をinspecterといいます。
全部、「よく見るspect」繋がり。


というわけで欧米型の演劇が聴いて楽しむというスタンスがわかりましたね。


しかし、いつまでもギリシャ語のままで使われているということは、西欧各国にとって、演劇は自国語の中にはなかったのでしょうか?

Friday, 10 October 2014

知っておくとかっこいい英語 "What, drawn and talk of peace?"

"What, drawn and talk of peace?"

「なに?抜き身を片手に平和を語るのか?」

--- --- Tybalt, Romeo & Juliet 1-1

モンタギューとキャピュレットの子分同士のいざこざを剣で引き分けようとしたモンタギュー側のベンヴォリオに対してキャピュレット側のティボルトが。

今の国際平和の保ち方と同じですね。

 同じような言い回しが『ウィンザーの陽気な女房たち』という戯曲にも出てきます。

What? the sword and the word?

「なぬ?刃物で言葉か?」

--- --- Shallow, Merry Wives Windsor 3-1

剣を手にして話し合いができるものかという意味ですね。

シェイクスピアは武器と平和の矛盾を突きました。



Thursday, 9 October 2014

知っておくとかっこいい英語 "O that I were a glove upon that hand"

"O that I were a glove upon that hand"

「あ~、あの手を包む手袋になりたい!」

そうすればその顔に触れるからと、バルコニーのジュリエットを下から盗み見るロミオのつぶやき。

いまジュリエットの手を包んでいる手袋が羨ましいんですね。
手袋はジュリエットの手を包む他に
頬杖をつく頬にも触れられますもの。

ということは、当時のジュリエットは手袋をしていたんですね(O_O)

因みに、I were は、仮定法というやつで、仮にそうだったらいいのになあ、という気分の時、使います。
なぜか、I でも、was ではないのがポイント。

冒頭の O は、前回ご紹介した

O, speak again, bright angel

でも出てきましたね。

これは、言葉の魔術師シェイクスピアでさえ、言葉にできなかったほどの感情が、お腹の底、心の底から、がぼっと出てくるような音、なんです。

 Romeo & Juliet 2-2

Wednesday, 8 October 2014

知っておくとかっこいい英語 O speak again...

"O speak again, bright angel"

「輝く天使よ、せめてもう一言」

バルコニーの上のジュリエットを下から盗み見て密かにつぶやくロミオ。

『ロミオとジュリエット Romeo & Juliet』2-2

どうしても知っておきたいシェイクスピアの名台詞ですね(^_^)