Thursday, 25 September 2014

夢を諦めないために何をすれば良いですか?

今日は某女子短大2年生に、演出家の仕事と、そこに就いたいきさつをお話ししました。
最後に、映画監督になりたいけれども、勉強の資金を貯めたいので一度ふるさとで就職する、という学生から質問がありました。
(本当は、15分の質問コーナーを設けるつもりだったのですが、時間切れになってしまって、ひとりしか聴けなかったのです。ごめんなさい)

夢を諦めないために、どうすればいいですか?

私は数秒考えました。

そしてこう言いました。

死ぬ前にどうしてもこれだけはやっておきたい、そう思えるかどうかです。

私は、今は演技もしていますが、その前は、自分は演劇学校で正式な訓練を受けたわけでもない、劇団員が100人もいるのに私が出てはいけない、と、他者の目で自分に制限をかけていました。
でも、じゃあ、本当にそれでいいのか、と。死ぬ前にどうしてもシェイクスピアは喋ってみたい。自分の演技で人を感動させたい、と思って、それなら、と自分で「シェイクスピア遊び語り」というプロジェクトを始めたのです。

もうひとつ、資金集めのために就職するとおっしゃいましたが、稼ぐことが目的にならないように。稼ぐのは、あくまでも、夢を達成するための手段です。
稼がなくちゃ、と思っていると、夢を失ってしまいます。
これは夢を実現させるためだから、といつも自分に言い聞かせて下さい。

もしかしたら、ある時点で、こんな夢は叶わないかもしれない、いまはもうこれでいいや、と思ってしまうかもしれません。
でも、50歳になったときに、やっぱり映画監督やりたい、と思えたら、またそこから始めればいいのです。
夢をいつまでに達成しなくちゃ、という制限をかける必要はありません。
先延ばしにする必要もない。
いま、やりたい、と思ったら、始めればいいのです。

+++++

感想文からは、どうやら、この最後の質問に対する回答が最も印象に残ったようです。

私自身が、私自身に、こんな風にポジティブに、転んだら起きる、作品作りは悩んでいる人に生きる希望を与えるものだ、死ぬ前にこれだけはやっておきたい、夢に制限時間は無い、ということを言い聞かせるための講演だった気がします。

ありがとうございました。

何が自分のやりたいことなのか、そこに年齢制限は無い

今日は某女子短大2年生に、演出家の仕事と、なぜそれを選んだか、をお話ししました。

カナダ留学の際、演劇教育の授業を取って、これは日本に根付かせる必要があると思い、もっと深く演劇に就いて学ぶためにロンドン大学の演劇科で修士号を取りました。

ところが、そこで作品を作っているうちに、その作品が認められるようになっていったのです。
その結果、劇団昴に招んでいただき、演技講師として勤め始めました。
それでも、まだ、なんとなく、流れの中でそういう風になっていっただけで、演劇教育と演出家の狭間で、まだ自分の意志で決めた、というわけではなかった。

本当に、これが私の選んだ職業として、何が起きても絶対に諦めないで続けていけるか?との問いを自らに発して、イエス!と答えられたのは、35歳の時です。

芸術分野では、ほとんどが、小さい頃からその分野が好きで好きでたまらない、という人たちがプロになっています。
私の場合は、始めたのも遅ければ、選んだのも遅かった。
しかも、演劇教育を日本に根付かせる、という教育主体というよりは、現場の創作主体・・・

つまり、いつ、何が本当にやりたいことなのか、わかるには時間が懸かる場合もあるのです。

最後に、十二夜から、ヴァイオラの指輪のスピーチを、日本語と英語で行なって、この講演を締めくくりました。

最後の演技表現は、自分としては、うーん、余計だったかなー、あんまりうまくいかなかったなーと後悔しましたが、感想文では、英語と日本語の両方で聴けて感動、シェイクスピアを見たくなった、読みたくなった、と言っていただけてホッとしました。

シェイクスピアは韻を踏むのを発見すると原文は面白い、原文で読むと案外簡単なの。という話もしました。

最後に、質問をひとつしか受けられなかったのです。
映画監督になりたいという人からの質問でした。

つづく・・・


笑いは人を救う

本日は、某女子短大2年生に、演出家の仕事と、なぜそれに就くようになったかをお話ししました。

転んだら起きる、というのが 大事だから、と素晴らしい試験官達にカナダに送ってもらったものの、元々繭の中にいて、社会性の無い私のことでしたから、繭を増々固く、もしかしたらトゲまではやした繭を作っていたかもしれません。
笑われたくない。
かっこ良くありたい。と。

ところがある日、演劇教育の授業で、私のした、何気ない行動が、同級生の笑いを誘いました。
そのとき、それまで笑われることが怖くて怖くてたまらなかった私が、笑われることで気持ち良く感じられたのです。
その笑いは、人を傷つける笑いではなく、人を癒し、心地好い楽しい気分にさせるものでした。
私は人に笑われてるんじゃない、私が人を笑わせてるんだ、と思えた瞬間です。

そのとき、笑いには、人を救うパワーがあると気がつきました。
演劇教育(Theatre in Education) の授業は、社会で生きる人間が、お互いに助け合い、良いところを認めあい、想像力と創造性を発揮しながら気持ち力生きることを教えていました。
なんて素晴らしい科目。
これが日本の小学・中学教育に入ったら、お尻に画鋲が刺さるような子はいなくなるに違いない。

このとき、初めて、私は演劇を日本社会の教育システムに取組むことを仕事にしよう、と自分の進むべき道が選べた気がしました。

演劇や音楽って、小さい頃からお芝居が好きでした、歌うのが好きでした、ずっとバイオリンひとすじでした、という「小さい頃から」のかたがほとんどで、私のように、道を定めるのがずっと後、という人はいないんです。

ただ、演劇の素晴らしさ、これは教育として日本に根付かせなくては、という思いを 、自分の使命だ、と思えることが生まれたのが、この時でした。

そして私はロンドン大学の演劇科で修士号を取ることにしたのです。
もっと、演劇のことについて良く知ろうと思って。

ところが、そこにいて作品を作るうち、作品作りが認められるようになってしまいました。

つづく・・・

転んだら起きる

今日は、某女子短大の2年生に、演出家の仕事と、そこに至るいきさつをお話ししました。

転機は大学の3年のときに訪れました。

留学したいと思って奨学金や交換留学を探してい ました。
4年生で留学すればいいや、と3年生の頃、模擬試験のつもりで、いろいろな交換留学(慶応には幾つもあったのです)試験を受けました。TOEFLの点数が足りずに、受けることさえできなかった留学試験もあったのです。
カナダ留学のは、TOEFLにあまり関係なく受けることができました。

が、受けてびっくり。
なんて私には一般教養がないのだ!!!
世界史は上智の外国語学部の試験さえ、100点満点の自信(わからない質問がなかった。せいぜい、北京と周口天(北京原人の発見現場)の場所当てクイズが、微妙だったな、程度で)で合格してきたのに、世界史に登場しない、建国100年のカナダのことはナニヒトツ知らない!

設問は、
日本の総理大臣を5人、漢字のフルネームで書け。
・・・田中角栄しか書けなかった
カナダの元首は?
・・・元首ってなに?
カナダの州を5つ書け。
・・・ケベック。おわり。

幸いにして面接は筆記試験の成績に関係なく、次の日に全員が受けることになっていた。
私は、試験のあまりの出来の悪さにショックを受け、面接が終わってから、
「あのー、すいません、昨日の試験が最悪で、自分がいかに教養もなく知識もなく過ごしてきたか痛感しました。正解を今から、上から順に言いますので聞いて頂けますか?」
もちろん、問題用紙は持って帰れない。あまりのショックに、全設問を暗記していたのです。

2週間後、合格。
ひとりだけ。

ひえー。補欠だったのかな?

合格者への面談があるので、そちらへ出向くと、ずらっと並んだ面接官が;
「あなたの成績は最低でした。」
「・・・」
「が、作文がよかった」
「・・・」
「でも、なによりも、私たちは、あなたが、自分の非を認め、それを消化・解消してそれを示してくれたことに、あなたの可能性を見ました。海外では、転ぶことはいくらでもあります。転んでも、起き上がれる人、それこそが、海外で留学生活を送るには最も大切な資質なのです。だから、私たちは、あなたを送ることにしました」

転んでも起き上がれること。

自分では、そんなヒロイックなつもりではなかったので、逆に、へー、と思ってしまったくらいです。

私はそれよりも、その私を選んだ試験官達が偉い、と思っています。
試験官達は、「だから、来年、がんばってね」と言うことは簡単だった筈です。
でも、その年に、私を送ってくれた。

私は演出家として、オーディションもよく、行ないます。
講師としてひとに評価も付けます。
でも、いつも、この、私をカナダに送り出してくれた試験官達の言葉を思い出すのです。

この人の可能性に掛ける。

私はそういう気持ちでひとりひとりと接しているだろうか、と。
私はそういう気持ちで、人を育てようとしているだろうか、と。

+++++

転んでも起き上がる

というフレーズの方が一般的ですが、ちょっと歯を食いしばったり、根性が要りそうで、私は

転んだら起き上がる

というフレーズを使います。

転んだら起きりゃいいんでしょ、それだけのこと、という何気ない感じで人生を渡っていきたいんです。


脳内ネットワーク

今日は、某女子短大の2年生に、私の演出家の仕事について語る機会を頂きました。

演出家の仕事について説明した後、なぜその職業に就くことになったのか、そもそも私は繭の中にいるような学生時代を過ごしていて、演劇という「人間を扱う仕事」とはかけ離れたところにいたのです。

浪人時代、ある世界史の年号を目にしたとき、あれ?これは中国でもこういうことがあったのと呼応しているじゃないの、その数年後にヨーロッパにこれがくるんだよね、といろいろなことが、縦割りの「中国史」「イスラム史」「ベトナム史」として捉えていたものが、全世界的に、あらゆることが繋がっていく、繋がっている、そこに人間の流れがある、ということが、目の前の霧が晴れるように、はっきりとリンクして見えたのです。

同じ頃、inspector という単語を目にしたとき、眼鏡という意味の spectacles とspect という部分が同じことに気がつきました。
あー、なんだ、spect というのは、目を丸くしてしっかり見る、という感じの「見る」にまつわる言葉なんだな。それに in が着くから、「検察官」という、調べる人のことになるんだ。眼鏡も、単なる「目のガラス」じゃなくって、しっかり見るための、物なんだ、と気がつきました。
それから、出会う単語は、全て「元の言葉」があって、そこから発展している、元の言葉の意味だけわかれば、あとは何がくっついているかで想像できる、と知り、単語を憶えるのがとても楽になりました。
勉強したのはむしろ do, have, go, get, keep などの基本単語の様々な使い方や前置詞でした。

こういう、ひとつのことから様々なことが繋がって見えるようになる、脳内ネットワークが繋がる、というのは、8歳でハーバードに入る天才も居るけれども、だいたい中学から高校で来るか、もしかしたらもっとずっと後になってから来るかもしれない。
だから、頭が良いとか悪いとかじゃなくて、脳内ネットワークが繋がるタイミングが、人それぞれ違う、ということなんです。
だから、自分が頭が悪いんじゃないかとか、心配しなくていい。
何か繋がらないかしら、と思いながら世の中を見ていくと、ある日、ぱーっと、開けて世界が見えて来ると思います。

さて、この、言葉の元の意味を調べる、というのは演出家の仕事にも繋がっていて、例えば女性の名前で Olivia というのがある。
オリーヴと音が似ている。オリーヴの木って地中海の荒れた土地にしか生えないのよね。
荒れ地に生えるから、根っこがすごく深くてしっかりしてるのよね。
しかも常緑樹で、そういう印象を人に与えるような登場人物として、作家が命名している筈なんだ。
因みに、原語のオリーヴには、「鉄」という意味があって、木の幹がすごく固いから、木なのに「鉄」と名付けられているの。
男性の名前ならオリヴァーだし。すると日本語だと、鉄雄とかになりそう。
ルーシーは、イタリア語のルチア、光、という意味だから、光子ちゃんとか、明子ちゃんとか。
ね、作家が付けた名前の意味を辿ると、そういう要素のある登場人物で演じれば良いんだ、と見えて来るのです。

+++++

この、脳内ネットワークの話は、多くの学生から「自分のはまだ繋がっていないけど、いつか繋がるんだ、と思えたら勇気が出てきました」と感想を頂きました。

次は、いよいよ、演出家の仕事に繋がる、カナダ留学の話です。

繭の中に閉じ込められていた学生時代

今日は某女子短大の2年生に向けて、私の話をしました。

演出家の仕事とは、という話の後、なぜこの仕事に就くようになったのか、お話ししました。

私はずーっと、なんか自分の回りに分厚い半透明の繭があるような気がしていました。
何を話しかけられても、なんか直接自分と関わるものではないような、まるで録音された言葉がぼんやりと流れて来るような感じ。

たとえば小学生の頃、いじめられていたにもかかわらず、いじめられていることにさえ気がつかない鈍感な子供でした。
文字の世界にだけ、生きていたから、本ばかり読んでいました。
席に着いたらお尻に画鋲が刺さっても「あら、なんでこんなところに画鋲が」と脇に丁寧に置いておしまい。
いじめがいが無かったのでしょうね、あとは筆箱が高いところに置いてあるとか、グループを組む時に最後までひとりになる、という程度でした。

大学受験は、全部落ちました。(実は高校も全部落ちている。補欠で下から二番目で入学したのだ)
全部落ちたとき、親に、こう言いました。

なんで落ちたかと言うと、大学に行く意義が見いだせないんだもの。
大学に入って、どこかの誰かが敷いた、社会のレールに乗って進んでいくのは、そんなに素晴らしいことですか? 自分で道を切り開く方が、ずっと素晴らしいんじゃないですか?
(落ちてから言うから説得力無し)

結局、親の「日本の大学にさえ受からないのに、海外でやって行けるわけないでしょう!まず受かってからものを言いなさい。」に言い負かされ、浪人。
でも、浪人のお金を払ってくれた親には、今は本当に感謝しています。

ところが、選んだ予備校は、片思いだった男の子が選んだところ。
サッカー部のワルたちと一緒に(高校時代、サッカー部のマネージャーだった)。

浪人時代、二日に一度は体調が悪くて、予備校を休む日々。
ところが、シャンプーのコマーシャルに出てきそうな華奢で愛らしい、コスモスみたいな女の子が、毎日のように電話して心配してくれる。励まして、「明日はおいで」と言ってくれる。
(私は登校拒否な訳じゃなくて、ただぐったりして電車に乗れなかっただけなのだが)
その時代、初めて、女友達って、なんて素晴らしいんだろう!
と、 ようやく、友達のありがたさを自覚したのです。
それまで、私を友達扱いして下さったかたたちの愛情に気づきもせず。

浪人して、彼女に会えて、それから大学に行くという流れを踏んで、本当に良かったと思っています。

浪人時代は、そういう人間関係に目覚めたことのほかに、もうひとつ、大きな変化がありました。

つづく・・・

演出家の仕事

今日は、某女子短大の教養講座でお話をさせていただきました。
演出家の仕事について、です。
短大の2年生対象ですから、既に就職が決まったかた、4年制大学編入が決まったかた、まだこれからのかた・・・いずれにせよ、人生のある岐路に立っている若い美しい命達に向かってお話せねばなりません。
まず、演出家の仕事についてお話ししたので、その部分をご紹介します。

++++++

演出家の仕事は、映画で言えば、映画監督のようなもの。
ある作品を、どんなふうに見せたいのか、内容も、衣装も、照明も、「こういうふうにしたいの」というイメージを持たなくてはなりません。
プロデューサーを説得し、舞台美術家を説得し、衣装デザイナーを説得し、俳優を説得します。あるいは話し合います。

ロミオとジュリエットを上演したいとき、お客様が悲劇にショックを受けるのは、二人が生きる希望に満ちて、なんとしても恋を成就させたいと思うから。
でも、ジュリエットは、案外ダークな台詞を言います。
「私が死んだらロミオを切り刻んでからお空の星にして」なんて、グロテスクなイメージなんでしょう!
そういうところから、ジュリエットには、無意識や潜在意識で「死に対する憧れ」があった、深層心理で暗い望みを抱えていた、と心理学的に解釈して、どこか暗い死の影を持つジュリエットで演じたとしたら、お客様はラストシーンに驚かないでしょう。
私たちが、ドラマにハラハラするのは、ジェットコースターと同じ、登っていくとき、先に線路が見えないから、怖いのです。
だから、ドラマを先を先読みさせてはいけません。
ロミオとジュリエットのような、誰もが知っているストーリーに、どんな新しいジェットコースターの軌跡を設計するのか、それが演出家の仕事なんです。

因みに、皆さんも演出をしているんですよ。毎朝。
髪型を整えるとき、メイクをするとき、服を選ぶとき。
丸襟か四角い襟かで、相手に与える印象は驚くほど異なります。
Tシャツとジーンズでいいや、と思う時でさえ、色は何色か、なぜそれでいいのか、というしっかりした理由があります。
あまり目立ちたくないから、という意識でさえ、立派な理由なのです。

そう思うと、毎朝、違う自分を演出することができますね。
「いつもと違うね」は褒め言葉になりこそすれ、あなたを引き止めるブレーキになってはいけないのです。
毎日、違っていい。(タレントさんは、ある特定のイメージで売る場合が多いのですが)
変わりたいと思った時、いつでも変わることができます。

 +++++

この話からは、多くの学生から、変化していいのだ、変化するのが怖くなくなった、毎朝演出していると思うと楽しくなってきた、という感想を頂きました。

続いて、自分の経歴の話をしました。つづく・・・


Sunday, 21 September 2014

喋ることに自信をつけたい人・もっと美しくなりたい人

人前で喋る力を伸ばしたい人、今週末の金曜日、スピーチ&アクティングのワークショップへぜひどうぞ。
演技に自信が無くても大丈夫。喋る、ということを中心に、呼吸と発声をしっかりやって、台詞を喋るということは、に繋げます。
西新宿の芸能花伝舎にて

もっと美しく、立居振舞や身のこなしに自信を持ちたいという人、今週末の土曜日、ビューティーワークショップがあります。
表情と瞳と声のレッスン
身のこなしと声のレッスン
の二本立て。独立して受けることが可能です。
井の頭線駒場東大前の「すたじおあんしぃん」にて

お申し込みは

info@acture.bizまで

Wednesday, 17 September 2014

もっと美しくなりたい人に、ワークショップ!

今週末の金曜日、秋に向けて綺麗になりたい方、英国の演技術で、表情や身のこなしから美しくなりましょう。

使用するスタジオは全面鏡の真っ白い美しいところで、心が清涼になります。

演技術って、俳優のための特別なものと思われがちですが、ほんとうは毎日を幸せに生きるために一般の私たちにとっても、大変有効なものなんです。

俳優が特別に訓練しなくてはならないのは、例えば殺人とか恨みとか喧嘩とか怒りの爆発とか、悪魔的な自分を解き放たなくてはならない場面を演じるときのため。
それを解き放つことと、同時にもっと大切な、それをコントロールすることが必要なので、そのためには、本当に俳優だけのための特別な訓練が必要なのです。

でも、演技訓練の大半は、幸せな自分を許すということや、相手への思いやりを深めること、相手の気持ちを知ること、自分の世界の見方を多種多様に深めること、すぐに怒らないこと、笑顔で接すること、相手の良さを認めること、人間の不思議さを知ること。。。

実は日常の私たちが家庭や社会の中でトゲトゲしないで生きるために必要なことをたくさん訓練するのです。

また、色々な人間を演じるために、身体の使い方や表情や瞳の使い方、ボディランゲージを学び、使えるようにするのも、俳優訓練。

で、一番大事なのは、いろんな人になるために、まずは、ニュートラルな自分を取り戻す、ということなんです。

ニュートラル、つまりセンターに戻って、そこから変身して行くのね。

今週末の金曜日から始まるビューティーワークショップでは、演技術を使って、これまでの厳しい社会生活でバリアとして身に付いてきた鎧を一枚ずつ丁寧に剥がしながら、表情と瞳を生き生きさせるワーク、癖を取り払いながら身のこなしを美しくするワークの2レッスンを行います。

どれも独立して受講できますので、この機会に奮ってご参加してみて下さい。
きっとご自分が美しく変われることに気づくでしょう。

演技術は、三輪えり花が学んできた英国の演技術をベースに行います。
お申し込みをお待ちしております。

Thursday, 11 September 2014

鎌倉 下之水神社

Money Laundering Shrine 銭洗弁天 の中にある、とても古い、滝と石窟の神社にお参り。
もちろんクレカも洗いました(≧∇≦)


石窟の中に水に馴染む植物が生きていて、とてもステキ。
自然のパワーに飾られるって、素晴らしいですね。

Monday, 8 September 2014

My new working-space Artisan Attic.屋根裏作業場作りました

 ACTURE HOUSE をご紹介します。
三輪えり花の仕事全てを支えてくれる場所です。


屋根裏に小道具や衣装をしまっています。
The attic in my house is a storage for props and costume.

このたび、この屋根裏を、ただの収納空間ではなく、デザインを描いたり、二面・三面作品を手作業で(つまりコンピュータを介さずに)作成したりするための作業場にしました。
I decided to use the space not only for storage but also for hand-working (such as drawing, painting, designing sets and costumes, without using a computer).
And I will call the space as Artisan Attic. 

ACTUREの本拠地 ACTURE HOUSEは
地階に音楽室・書斎・音楽を使う時のリハーサルスペース
2階のACTURE STUDIO は、ピアノ無しのリハーサル・レッスンスペースとアイロン・裁縫スペース
屋根裏2室がそれぞれ、デザインスタジオと衣装部屋
という作りになりました。
stage-set for November is under construction in the Attic.
The wardrobe hunger should be put in Attic B later.

Now my ACTURE HOUSE has
GROUND FLOOR:
     Music Room, Study Room (my main brain workspace), Rehearsal Room with a piano
1st FLOOR:
     Rehearsal Room without piano, Costumier (Ironing and sawing)
Attic A:
     Hand-work Design Studio
Attic B:
     Costume Wardrobe (Keeping)

屋根裏は夏の二ヶ月は蒸し風呂になりますが、あとの10ヶ月は快適です。
油絵もできるよー。
耕具も徐々に揃えます。

・・・工具。

農耕するわけじゃないんですから。

The attic is a hellish sauna for 2 months in summer, but the rest 10 months are quite fine.
One can even try oil-painting!

ちなみに、この屋根裏からは富士山も見えます
Above all, a view of Mt Fuji from the window!

my work-space before.
musical instruments, writings and books, and designing space, rehearsal space are all in one,
even with a strange creature.

Tuesday, 2 September 2014

オペラ遊び語りCOSI FAN TUTTE SOLD OUT & CURTAINED

COSI FAN TUTTE, directed by ELICA MIWA has been sold out and happily ended yesterday.
Great singers with Mozartic lightness and wonderful skills of singing and acting.
Audience response was very very good.

オペラ遊び語りコジ・ファン・トゥッテ:これが女というものだ、24日・31日の両日公演、ご来場ありがとうございました。

大勢のお客様にご来場頂き、出演者一同、大変感激しております。
皆様から嬉しい感想をたくさん頂いております。

* オペラをよく知っていても、「あ、だからそうなのか」とストーリーがより深く理解できました。
* 本当に楽しかった、オペラが身近に感じられました。
* 音楽家でも、入門者でも、楽しめますね。
* こういう企画はもっと観たいわー
* ほんとに良い企画ですね

などなど。
ありがとうございます。

このオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」は技巧的にも大変難しく、それを軽やかに歌いこなす歌手たちの力量に、三輪えり花はいつも舌を巻いておりました。
これほど「簡単そーに」歌え、しかも演技力もあるこの年齢の歌手達は、まさにトップレベルと呼ぶに相応しいかたたちです。

今後とも、歌手達を御贔屓にして下さいますよう、お願い申し上げます。


ことに31日は、満席の上、当日券でのご入場もございまして、座席配置が窮屈になってしまい、観るのに苦労したかたもいらっしゃるとのこと、大変申し訳ございませんでした。

演技自体は、胸から上で表現する演出にしておりまして、前のお客様の陰にならずに見えるよう心がけましたが、それでも見えない箇所ができてしまったようです。

12月は「なにが凄いの?シェイクスピア」を汐留ホールで上演いたしますので、これを参考に、見やすい舞台を作っていくようにいたします。

これからの作品もどうぞお楽しみに!